トウガラシ属トバモウイルス抵抗性遺伝子 L

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特許「トバモウイルス抵抗性遺伝子及びその利用」が登録されました。

  ピーマンなどのトウガラシ属は,タバコモザイクウイルスに代表されるトバモウイルスに侵されるとモザイク症状を呈する病気になります。一方,抵抗性遺伝子Lを持つ場合には,ある種のトバモウイルスの感染に対して,感染部位に急激な壊死斑を生じ,その内部又は周辺にウイルスを局在化させる過敏感反応(HR)型の抵抗性を示します。この宿主−ウイルス間の親和性・非親和性の関係は,宿主が抵抗性遺伝子を持ち,これに対応する非病原性遺伝子を病原体が持つ場合にのみ抵抗性となる遺伝子対遺伝子説に説明される典型的な宿主特異的抵抗性に当てはまります。トバモウイルスの非病原性遺伝子は,外被タンパク質遺伝子であり,この遺伝子の変異によりL遺伝子による抵抗性を打破するトバモウイルスが現れ,しばしば農業上問題となります。L遺伝子にはL1からL4までの対立遺伝子が存在し,番号が大きくなるほど認識できるトバモウイルスの範囲が大きいという階層性を有します(表)。

当分野では,Map-based cloning により
L3抵抗性遺伝子を同定し,さらに,対立遺伝子間の塩基配列の保存性を利用して,L1, L1a, L1c, L2, L2b, L4を単離しました (Tomita et al., 2008, 2011) 。

L抵抗性遺伝子の認識するトバモウイルスの病原型
S: 罹病性,R: 抵抗性


トバモウイルス罹病性/抵抗性ピーマン


L3 遺伝子構造


発表論文: Tomita et al., 2011 (↑Link to Pubmed)

ー特許ー 2013年12月3日付けで特許査定されました!!
【特許名】トバモウイルス抵抗性遺伝子及びその用途
【登録番号】特許第5445823号
【発明者】冨田麗子・小林括平・坂本勝・曳地康史・鈴木一実
【出願人/特許権者】岩手県、国立大学法人高知大学
  →外部リンク ekouhou.net

第32回 植物細胞分子生物学会
シンポジウム1 「植物の相互作用を紐解く最前線」

植物のウイルス認識機構について話題提供しました。
 タイトル:「タンパク質相互作用を介した植物のウイルス認識機構」
 講演者 :
○関根健太郎,冨田麗子,厚見剛,小林括平*
(公財)岩手生物工学研究センター,*愛媛大学農学部
 開催場所:アイーナ
(盛岡市)
 日時  :2014年8月22日


【参考】
Tomita, R., Murai, J., Miura, Y., Ishihara, H., Liu, S., Kubotera, Y., Honda, A., Hatta, R., Kuroda, T., Hamada, H. Sakamoto, M., Munemura, I. Nunomura, O., Ishikawa, K. Genda, Y., Kawasaki, S., Suzuki, K., Meksem, K. and Kobayashi K. 2008
Fine mapping and DNA fiber FISH analysis locates the tobamovirus resistance gene L3 of Capsicum chinense in a 400-kb region of R-like genes cluster embedded in highly repetitive sequences.Theoretical Applied Genetics 117:1107-1118


Tomita, R., Sekine, K.-T., Mizumoto, H., Sakamoto, M., Murai, J., Kiba, A., Hikichi, Y., Suzuki, K., and Kobayashi, K. 2011
Genetic basis for the hierarchical interaction between tobamoviruses and allelic L resistance genes from different pepper species.
Molecular Plant-Microbe Interactions 24:108-117


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