リンドウこぶ症

当センター及び岩手県生物工学研究所第2代所長 日向康吉氏(享年80歳)におかれましては、平成26年9月13日(土)にご逝去なさいました。
日向氏は平成14年7月から平成17年3月までの間、所長を務めていただき、「リンドウこぶ症」特別プロジェクトの立ち上げに貢献なされました。
ここに哀悼の意を表します。


Journal of General Virologyにリンドウこぶ症関連ウイルスの遺伝的多様性についての論文が掲載されました。
Atsumi, G., Tomita, R., Kobayashi, K., and Sekine, K.-T. (2013)
Prevalence and genetic diversity of an unusual virus associated with Kobu-sho disease of gentian in Japan.
Journal of General Virology
  94:2360-2365



 リンドウ栽培において,生育抑制や節間短縮と節部,茎や地下部組織の異常肥大を伴い,年々株の勢いが失われて,ついには枯死する症状が発生しています。この症状を「こぶ症」と呼んでいます。1980年代半ばに報告されてから現在に至るまで,その原因は明らかになっておらず,岩手県農業研究センター病理昆虫研究室を中心とした「リンドウこぶ症プロジェクトチーム」を結成して鋭意調査中です。
  岩手県農業研究センターHPへは左の外部リンクからジャンプできます。




 近年,私たちの研究室で開発した2本鎖RNA網羅的検出技術(DECS法)を用いて,リンドウこぶ症発症株から分類学上新しいウイルスを発見しました。県内外のこぶ症発症株の大規模な調査により,こぶ症発症株のほぼ全ての個体からこのウイルスが検出されたことから,「リンドウこぶ症関連ウイルス Gentian Kobu-sho associated virus (GKaV)と名付けましたKobayashi et al., 2013
岩手県農業研究センター,愛媛大学,生工研園芸資源研究部育種栽培技術開発チーム(旧:分子育種学研究分野・旧:代謝工学研究分野)との共同研究による成果です。

現在,GKaVがこぶ症の原因であるか証明するための研究をウイルス学的なアプローチや植物生理学的なアプローチによって進めています。

 

 【参考】
Kobayashi, K., Atsumi, G., Iwadate, Y., Tomita, R., Chiba, K., Akasaka, S., Nishihara, M., Takahashi, H., Yamaoka, N., Nishiguchi, M., and Sekine, K.-T. (2013)
Gentian Kobu-sho-associated virus: a tentative, novel double-stranded RNA virus that is relevant to gentian Kobu-sho syndrome.
Journal of General Plant Pathology
  79:56-63
↑↑ 論文が掲載されました(2013.1) ↑↑


第16回リンドウ研究会(AFR共催)
リンドウこぶ症に関する最近の研究について話題提供しました。

 タイトル:「リンドウこぶ症の全容解明に向けて」
 講演者 :(公財)岩手生物工学研究センター
       植物病態分子研究分野 厚見剛
 開催場所:岩手大学
(盛岡市)
 日時  :2013年6月28日

               講演風景(岩手大学にて)
 
東北農業試験研究推進会議野菜花き推進部会
花き研究会小集会
リンドウこぶ症に関する最近の研究について話題提供しました。

 タイトル:「リンドウこぶ症研究の最新動向」
 講演者 :(公財)岩手生物工学研究センター
       植物病態分子研究分野 関根健太郎
 開催場所:東北農業研究センター
(盛岡市)
 日時  :2014年2月4日

〜ちょっと専門的な話〜

DECS法は2本鎖RNAを検出してくる方法で,得られたRNAの配列情報と,既知ウイルスとの遺伝子配列情報の相同性からウイルス様配列であることが推定されます。しかし,GKaVについてはウイルス粒子の単離に成功していないことや,感染性について証明できていないことから,ウイルスであるかを厳密には証明していません。最近私たちは,感染植物体内での遺伝子配列の多様性を調べることで,このウイルス様配列がウイルスのものであることを裏付ける結果を示しました(Atsumi et al., 2013)。また東北各地に存在するGKaVのゲノム配列の比較や,同じ圃場内での宿主(リンドウ)の品種間差によるGKaVのゲノム配列の比較による,GKaVの感染拡大の経緯を探る試みもしています。このGKaVの感染経路の探索については,岩手県農業研究センターと共同で取り組んでいます。
 
↑↑
論文が掲載されました(2013.9) ↑↑
 
【参考】
Atsumi, G., Tomita, R.,
Kobayashi, K., and Sekine, K.-T. (2013)
Prevalence and genetic diversity of an unusual virus associated with Kobu-sho disease of gentian in Japan.
Journal of General Virology
  94:2360-2365


平成26年度植物感染生理談話会
病原未同定病害の新しい植物感染生理学的アプローチによる病原体探索の一例としてリンドウこぶ症の原因究明研究について話題提供しました。
 タイトル:「リンドウこぶ症の原因究明ーコッホの原則への挑戦ー
 講演者 :
○関根健太郎・厚見剛・冨田麗子・白川明日佳・小林括平*

                   (公財)岩手生物工学研究センター・*愛媛大農
 開催場所:岩松旅館
(仙台市)

 日時  :2014年8月6日 - 8日


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